成績アップの勉強術の最終回。
小学生から高校生でおそらく一番勉強しているのは、大学受験の高校3年生だと思います。
また、そうでなければいけませんしね。
前回の2回で、勉強の方法についてはお話しましたが、今回はそれを持続させる方法。
先ずはじめに人間の脳の仕組みについて簡単にお話します。
何か作業を始めるとモチベーションが高まり、ドーパミンの分泌によって作業興奮状態になり、脳が「作業を続けるように」と信号を出してきます。これを「作業興奮」と言います。
作業興奮に襲われると、作業を続けること自体が快感になり、作業時間が延びてしまいます。
また興奮状態では判断力が鈍り、目的も見失いやすくなります。
時間をかけて勉強したとしても、この状態では、「勉強をすること自体」が目的となり、長時間やり切ったという充実感は得られるかもしれませんが、長続きしません。
三日坊主になる原因です。
集中力を切らさずに勉強を進めるコツの一つが「締め切り効果」。
時間を区切っての勉強です。
60分して、5分の休憩。
55分で5分の休憩でも構いません。学ゼミの個別指導コースはこのパターンです。
順調に作業が進んでいるのに途中で手を止めたら、集中力が途切れてかえって効率が悪くなりそうだと思われるかもしれません。しかし作業を中断する効果は、行動心理学的にも正しいのです。
心理学用語で、「心理的リアクタンス」「ツァイガルニク効果」という言葉があります。
心理的リアクタンスは行動を制限されると、反発心から余計にそれをしたくなる心理現象で、ツァイガルニク効果とは達成できたことよりも達成できなかったことを覚えている心理現象です。
勉強の中断時間を決めても、その時間が迫ってくれば心理的リアクタンスがはたらき「何とかキリがよいところまでは作業を終わらせたい」という思いから処理スピードが上がります。
また、途中で休憩をはさんでもツァイガルニク効果で勉強の続きが気になるので、休憩後も集中力を保ったまま勉強を継続できます。
集中力を2時間も3時間も保って作業するのは難しく、現実的ではありません。
仮に長時間集中できても、それをつねに発揮するのは体力的に困難です。
時間制限を設けて無駄な作業興奮を抑えるために、こまめに休憩する。
現役で合格した先輩たちはこうすることで集中力を保てる時間の増やしていたのです。
そして、時間の余裕は、気持ちの余裕から作っていけます。
忙しくて時間がないと心の余裕がなくなり、パフォーマンスが落ちてしまいます。
そんなとき、時間に余裕ができると、心にもゆとりが出てきます。
「時間に追われてあせってしまうのは、気持ちの余裕がないからだ」と思うことが大切です。
提出日ギリギリにまだ宿題が終わっていない。とりあえず答を埋めておこう。
もう、宿題は終わっている。間違った問題をもう一度解いておこう。
どちらの方が成果が出るかはもうわかりますね。
成果を出している生徒さんは、時間・集中力・エネルギーに限界があることを知っているので、この3つを無駄づかいしないようにしています。
8月下旬から新学期が始まる人も多いですね。
後、1カ月の夏休み。
悔いの残らないように、上手に使っていきましょう。