塾長ブログ No.61 2023/12/5 第2回 高校進学セミナー開催
楷書。
崩すことなく、一画一点を正しく描いていく文字の書き方。
このことから、基本通りに物事を進めるという意味でも使われています。
楷書の勉強法
最終回の今回は、楷書の方法の大切さについてお話をしていきます。
数年前に、時間を取って勉強しているのに成績が上がらないという中学生の女の子の懇談をしたことがあります。
一日何時間も時間を取ってるのに定期テストで点数が取れないんですね。
勉強方法を詳しく聞いてみました。
〇やっていること
教科書を丁寧にまとめている。
問題集は問題も書いている。
課題や宿題の訂正も赤できれいに書いている。
×やっていないこと
教科書の音読。
間違った問題を何度も解く。
定期的な問題集のやり直し。
その子にとっての勉強は、時間を取って作業をすることで、「勉強」することではなかったんですね。
ですから、解けない問題はいつまでも解けない問題のままだったんです。
授業中や折に触れて勉強方法を教えて来たつもりでしたが、「聞いて」なかったんですね。
また、書いて覚える→丁寧に写す
に変換されていたようです。
いささか、勉強方法を指示して、やってみると根が真面目な生徒さんでしたので、みるみる成績が上がりました。
数年後、同じような生徒さんとまた懇談し、指導しましたが、こちらは自分のやり方を変えることが出来ずに、少しして退塾されました。
後で聞くと高校入試も第1志望は無理だったようです。
違いは何か?
楷書の勉強方法がまず型についていたかどうか?
これだけでしょうね。
何事も先達はあらまほしきことなり。
「何事にもその道の先生や指導者はいてほしいものである。」
『徒然草』の中で、作者吉田兼好が述べているように、やはり正しい方法は大切なのです。