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塾長ブログ No.54 2023/10/17 夏果てて、秋の来るにはあらず。

『徒然草(つれづれぐさ)』
鎌倉時代末に吉田兼好(よしだけんこう)が著した随筆です。
日頃思うことを作者の言葉を借りれば「そこはかとなく書き付くれば」と思いのままに書いていったものでした。
その、第155段の一節に次の文章があります。
少し長いですが、頑張って読んでみてください。

春暮れてのち夏になり、夏果てて秋の来るにはあらず。
春はやがて夏の気を催し、夏より既に秋は通ひ、
秋は即ち寒くなり、十月は小春の天気、草も青くなり梅もつぼみぬ。
木の葉の落つるも、先づ落ちて芽ぐむにはあらず。
下よりきざしつはるに堪えずして落ちるなり。

春が終わって夏になり、夏が終わって秋になるのではない。
春は早くから夏の空気を作り出し、夏には秋の空気が混ざっている。
秋になるとだんだん寒くなり、冬の十月には小春の天気があって、草が青み、梅の花のつぼみもふくらむ。
枯葉が落ちてから芽が息吹くのでもない。
地面から芽生える力に押し出され、耐えられず枝が落ちるのである。
新しい命が地中で膨らむから、いっせいに枝葉が落ちるのだ。

季節の移り変わりを大変上手くあらわしています。
8月末の夜、少し涼しくなって、虫の声も聞こえてくる。
9月に入ると、少し涼しい朝晩が増えてくる。
10月になってパジャマも長袖にして、布団も夏布団から替える。
飲み物も段々と温かい物が欲しくなる。

これが、いつもの夏から秋への移り変わりでした。
他の季節もそうですが、季節の合わさり目はどちらの季節も淡く自己主張していました。

さて、今年は。
まぁ、残暑が厳しかったですね。
残暑と言えるかどうかもあやしいです。
で、いきなり、涼しい。
というより、肌寒かったかもです。

ひょっとしたら、今の子ども達が大人になることには、季節の時期が変わっているかもしれませんね。
四季から二季へ。
暑いと寒いだけ。
いやはや、何とも心配ですが。

何度か書いていますが、体調不良の人も増えてきています。
暑いや寒いを自分で判断して、1枚多く着る、1枚多くかぶるなど気をつけていきましょう。

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